「もっともっと欲しい」の貪欲の経済から、「足るを知る」知足の経済へ。さらにいのちを尊重する「持続の経済」へ。日本は幸せをとりもどすことができるでしょうか、考え、提言し、みなさんと語り合いたいと思います。(京都・龍安寺の石庭)
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宮崎わかこさん、善戦及ばず
選任された足立区政の危うさ

安原和雄
 東京都内の首長選挙では初めての女性候補の一騎打ちとして話題を呼んでいた足立区長選挙は2007年6月3日投票が行われ、即日開票の結果、残念ながら私が支援していた宮崎和加子さんは善戦及ばず、の結末となった。その報告と同時に、選任された新しい近藤区政の危うさを指摘したい。(07年6月4日掲載)

▽「残念。だが敗北感なし」―宮崎陣営の総括

投票率は33.59%(前回47.07%)で過去3番目に低い水準にとどまった。当日有権者数は50万8600人。確定得票は以下の通り。

宮崎和加子=57,651
近藤弥生=110,556

 この数字をみて宮崎さんは「善戦」したのか、それとも「大差で敗北」したのか、そのどちらととらえるか、私は「善戦」と評価したい。なぜなら相手の近藤陣営には「元自民党都議の近藤候補に比べ、宮崎候補は全くの新人で、こんなに票を集めるとは想わなかった」との声もあるからである。
 それに近藤候補は自民、民主、公明3党の推薦を得て、既成政党の固定票に依存したが、宮崎候補はあえて特定政党の推薦は受けないで、無所属に徹し、市民・庶民派として区民との対話を重視し、広く支持を訴えたという違いもある。

 近藤陣営は5000人規模の集会を開くなど、その動員力には私(安原)自身、舌を巻く思いであった。相手の組織的動員力からみれば、「負けるべくして負けた」ともいえるが、見方はいろいろで、「残念な結果だが、敗北感なし」というのが宮崎陣営の総括である。

▽宮崎わかこの政策が近藤区政に生かされることを期待する

 確定得票が決まった時点の3日午後10時頃、宮崎候補の支援団体「足立の会」(会長・安原和雄)は選挙事務所(足立区梅島)で支持者ら約30人に向かって次のような声明を発表した。

 この度の足立区長選挙では多くのご支持をいただき、ありがとうございました。宮崎わかこを候補者として擁立し、戦って参りました。宮崎わかこは64万区民の代表をめざし、家計の負担を軽くし、地域密着型施設づくりを中心に多くの区民の皆様に訴えて参りました。
 また、区民の自発的な動きを中心として、政党の推薦を受けず、無所属候補として戦うという従来にない選挙を行いました。

 宮崎わかこの訴えは、限られた期間で急速に区民の中に広がりましたが、33.59%という低い投票率にみられるように、十分届いたとは言えません。

 さまざまな困難も多い区民の暮らしの中、宮崎わかこの政策は、足立区政に生かされていくことを期待しています。

 区民の皆様とともに、今後ともいのちと平和を守り、安心して暮らせる足立区をつくるために力を合わせていきましょう!

2007年6月3日
ナイスfullハート!足立の会
会長 安原和雄

▽「風が変わっていく選挙だった」と宮崎さん

 さて大手メディア(6月4日付)は、この投票結果をどう報道したか。宮崎候補に関する部分を以下に紹介したい。

 朝日新聞=宮崎氏は共産党などが加わる「足立革新区政をつくる会」の支持を受けて運動を展開。訪問看護師として足立区を中心に30年間つとめた経験を前面に出し、福祉の充実を訴えた。
知名度を上げるため、積極的に各地域を歩き、「区民一人ひとりの声を生かすため、政治の流れを変える」と呼びかけたが、及ばなかった。

 読売新聞=宮崎氏は「足立革新区政をつくる会」などの支援を受け、保育料や介護保険料の引き下げ、認知症対策の充実などを訴えてきた。
近藤氏には及ばなかったが、6万票近い支持を得た宮崎氏は、午後10時前、支持者約30人が詰めかけた事務所に現れ、「これまでの区政にうんざりしている区民が多いことを実感した。勝利には至らなかったが、風が変わっていく選挙だったと確信している」と述べた。支援者からは「よく頑張った」の掛け声とともに、大きなねぎらいの拍手があがった。

 毎日新聞=宮崎氏は、国民健康保険料の減額など福祉や医療分野を充実させる政策を掲げたが、及ばなかった。

 産経新聞= 宮崎氏は(事務所で)「1週間の選挙戦で、できる限りのことはやった。残念のひと言。私を応援してくれた区民の声が次第に大きくなったと感じている」とあいさつ。事務所に駆けつけた吉田万三氏ら支持者は「今後の活動を期待している」などと゛善戦゛した宮崎氏をねぎらった。

 東京新聞=宮崎氏は、看護師として培った人脈を中心に運動を展開。吉田万三元区長や作家の早乙女勝元氏らも応援に駆けつけたが、出馬表明が4月の統一地方選後と出遅れたことも響き、及ばなかった。
共産の支持を得たが、推薦は受けずに政党色を打ち消し「特定政党に縛られない無所属」を標榜(ひょうぼう)した。

▽新しい近藤区政の今後を占うと(1)―低投票率と低得票率が意味するもの

 6月20日から始まる近藤区政の先行きを展望すると、そこになにがみえてくるだろうか。

*近藤区政の特徴の一つは低投票率、低得票率という基盤の弱さ

 得票数110,556票という数字は、全有権者50万8600人の約2割にすぎない。昨今の地方自治体選挙は多くの場合、低投票率で、棄権者が全有権者の大半を占める。政治への無関心派が多すぎる。その結果、当選者の得票率が極めて低い。

 読売新聞は「解説」欄で次のように指摘した。
「投票率を下げたのは、近藤氏の訴えが、広く区民の関心を呼び起こさなかったのも一因だろう」と。
 ともかく区民全体の声を全身で受け止めて舵を取る「区民の、区民による、区民のための政治」というイメージからはほど遠いことを意味している。いったい誰のための区政となるのか、この点を心ある区民は凝視していきたい。棄権した人々が「しまった」と「後悔先に立たず」にならないためにも。

▽新しい近藤区政の今後を占うと(2)―「鈴木区政の継承」の危うさ

*近藤区政は前任の鈴木区政の継承であり、その新自由主義的な危うさ

 鈴木区政の継承が意味するものはなにか。朝日新聞の「解説」に次の指摘がある。
 「区が学力向上のため、都の学力テスト結果を小中学校への予算配分の判断材料にしたことは今も反発を呼んでいる」と。
 これは教育の分野に新自由主義的な競争原理を導入しようという鈴木区政の意図、それに対する教育現場などの反発を意味している。

 ここでの新自由主義とはなにか。米国から導入され、1980年代の中曽根政権時代から始まり、小泉=安倍政権で本格化してきたわが国の新自由主義は、自由市場原理主義ともいわれる。自由化、民営化の名の下に企業利益至上主義と弱肉強食の競争をすすめるほか、行政改革・小さな政府による行政サービス低下、福祉削減、その一方で税・保険料などの国民(住民)負担の増大を図るいわば「国民いじめ」の路線を指している。
 近藤陣営が選挙期間中に声高く叫びつづけたのが「行政改革・小さな政府」であり、一方、宮崎候補の「福祉充実」の主張を非難し続けた。

 また読売新聞の「解説」はつぎのように書いた。
 「近藤氏は、区の外郭団体の見直しや職員数を15%削減する行財政改革、教育改革などを公約に掲げたが、告示前から区職員の間では〈目新しさや具体性に欠ける〉、〈目指すべき区の将来像が分かりにくい〉との指摘も出ていた」と。

 近藤陣営の説明が不十分だから、〈将来像が分かりにくい〉のだろうが、行き着く先はみえているのではないか。職員削減、競争のすすめ、行政サービスの低下、住民の負担増大―などではないか。もちろん無駄をなくすための行財政改革は必要であり、当然のことだが、新自由主義路線がめざすものは、「いのちと平和」に反する道で、区民一人ひとりにとって甘いものではないだろう。


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コメント
この記事へのコメント
記事中の投票率のあまりの低さに自分の目を疑いました。

区長選の投票率というのは50%を割るのが「普通」なのでしょうか。3人に1人というのは恐ろしく低い数字に思えますが。

勝った方の組織票(?)以外の人はあまり投票にも行かなかった、ということなのでしょうか。

どうやら大人たちを教育し直さなければならないようですね。
2007/06/05(火) 14:41:19 | URL | shin #-[ 編集]
低投票率と大人の教育
shinさん、コメントに感謝します。もっともな疑問であり、提案だと思います。

残念ながら低投票率は今や常態化しています。「勝った方の組織票(?)以外の人はあまり投票にも行かなかった、ということか」については、その通りですが、実は組織票そのものも十分には稼働しなかったようです。
自民、民主、公明3党の組織票がフルに稼働すれば、相手候補の得票数はもっと多かったのではないでしょうか。

さて大人たちの教育ですが、これはなかなか難しいテーマですね。
弱肉強食のすすめ、いいかえれば強い者が弱い者を足蹴にしてどこが悪いか、という考えを実行する新自由主義(新保守主義、自由市場原理主義ともいう)路線は、「国民=住民いじめ」であり、宮崎わかこ候補が唱えた「いのちと平和」尊重路線に反するものです。
教育のカギはここにどこまで気づくか、だと思います。「いじめ反対」の声を日本列島全体に響き渡らせる必要がありそうですね。

良い提案、知恵があれば、ぜひ教えて下さい。
2007/06/06(水) 11:35:56 | URL | 安原和雄 #-[ 編集]
低得票率の要因と対策
安原さんの文章を読む直前に、青森県知事選挙の投票率が38.45%と過去最低だったという記事を読んだばかりでした。その直後に、なんと首都東京の足立区長選挙の投票率が33.59%で、しかも、過去3番目の低さというこの記事を読み、あきれました。これでは選挙で民意の反映などできそうにありません。やはり、選挙が成立するための最低投票率を決めておいた方が良いと思いました。
さて、この投票率の低さの要因ですが、私の頭に浮かんだのは次の2点です。
1.政治への無関心:これは、政治と日常生活の関係が見えないことによるものと、「政治はお上の仕事」という先入観念とによるものがあろうかと思います。
2.政治に関心はあっても、政治にかかわる自己の意志表示(投票もその一つ)を行儀悪い行為などと評価する道徳観:これは、江戸時代にもっとも普及した儒教教育の「分をわきまえる」という道徳観念を未だに引きずっているためであろうかと思います。
即効性のある対策は見つからないのですが、自分の将来は、自分の希望と自分の判断で決めるという新しい価値観(と言っても18世紀のルソーの時代から世に存在していた)を根気よく広めて行くしかないと思います。今の企業や官庁内では、無事安泰にすごし、順調に出世するには「分をわきまえる」ことが必須の条件ですから、これも「言うは易く、行い難し」ですが。
2007/06/06(水) 12:19:09 | URL | 中江一民 #-[ 編集]
新しい価値観の実践
中江一民さん、貴重なご意見をありがとう。

政治への無関心は確かに事実としてあります。そういう人たちからは「俺の勝手だろう」という声が聞こえてきますが、勝手では済まない、ところがややこしいですね。
有り体に言って今の保守政治によるいじめが始まり、それが本格化しようとしている。大人の世界でのいじめは並み大抵のことではありませんからね。それをどこまで感じ取るか、です。
「いじめなど平気だよ」といいきれる人はまあ立派といえば立派ですが、どんなものでしょうか。

「自分の将来は、自分の希望と自分の判断で決めるという新しい価値観」をどう広め、実践していくかはたしかに重要なテーマといえます。
これは自己決定権という考え方にもつながるものでしょうが、率直に言って我々日本人の多くはこの種の訓練が上手とはなかなか言えそうにありません。

飛躍するかもしれませんが、「共生」と「利他自利の調和」さらに「お陰様で」という感謝のこころで世の中を見わたすと、これまでとは別の世界がみえてくるようにも思います。自分自身が別人になったような気分にもなり得ます。

今後ともご教示下さい。
2007/06/07(木) 18:56:01 | URL | 安原和雄 #-[ 編集]
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