「もっともっと欲しい」の貪欲の経済から、「足るを知る」知足の経済へ。さらにいのちを尊重する「持続の経済」へ。日本は幸せをとりもどすことができるでしょうか、考え、提言し、みなさんと語り合いたいと思います。(京都・龍安寺の石庭)
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宮崎わかこさん、足立区長選へ
ナースの体験を生かすために 

 新人・「宮崎わかこ」さん(51歳・無所属)が東京都の足立区長選挙(2007年6月3日投票)に出馬することになった。すでに記者会見で出馬を表明した。訪問看護の開拓者として20年以上の実績を積み重ねており、その体験を生かして、魅力あふれる「足立づくり」が始まることを期待している。
 カネがらみの既成政治家が群れをなしている現状で、宮崎さんのような清新で心根がやさしく、しかも活力あふれ、存在感のある人こそが区政を担うのに最適任だと思う。足立の政治に新しい風を巻き起こしてくれることを足立区在住の一人として願っている。(安原和雄 07年5月9日掲載)

宮崎わかこさんのサイトは次の通り。
http://www.miyazaki-wakako.jp/nice.html

沢山ある著書の一つ、『家で死ぬのはわがままですか 訪問看護婦が20年実践した介護の現場から』(ちくま文庫、02年6月刊)を手がかりに、宮崎さんの人柄とナースとしての考え方を以下に紹介したい。
 本書の題名をみて、なぜ「わがまま」のすすめなのかに少し疑問を感じるかもしれない。しかし読み進むにつれて、その「新鮮な発想」になるほどと納得できるはずである。
 ここでの「わがまま」は介護を受ける人にとっては「当たり前の生活の要求」であり、一方、介護する人のやさしさ、思いやりそのものの実践なのである。ここには宮崎さんの人柄がそのまま映し出されており、それを実感させてくれる作品となっている。

▽本当に「わがまま」はよくないことなのか

 著書『家で死ぬのはわがままですか』が訴えたいものは何か。宮崎わかこさんの心情を以下に紹介したい。

 「わがまま」っていったいなんだろう?
私は、そういう疑問をずうっと持ちながら、在宅ケアの仕事をしてきた。現場では「わがまま」という言葉が意識しないでよく使われる。「あの人はわがままなのよ」「わがままばかり言わないで」と言い、だから「がまんしなさい」「そんなぜいたく言える立場ではないでしょう」などという言葉が返ってくる。
 そして介護を受ける側が小さくなって、自分の望みや要求を口にすることすら認められていない現実がある。

 しかし、このような「わがまま」は本当に「わがまま」なのだろうか。家族、本人、近隣の人が、またサービス提供者、そして行政も、社会全体が「わがまま」といって片づけてしまっている中に、実は大事な宝がたくさん隠れているのではないか。

 『大辞林』(三省堂刊)をみると、「我が儘、他人のことを考えず、自分の都合だけを考えて行動すること、身勝手・自分勝手、思い通りに贅沢をすること」と書いてあり、一般的にはいい意味では使われない。確かに社会一般では「わがまま」は、「自分勝手」「自己中心」「迷惑」など「悪」としてとらえられがちである。しかし、健康な人で自由に自分のことができる人にとってはそうかもしれないが、そうでない人にとってはどうだろうか。本当に「わがまま」は悪いことなのだろうか。

 本当にそうだろうかと感性を研ぎ澄まして考え直してみると、「わがまま」といわれていることはみな、実は「当たり前の生活の要求」「病気以前の普通の生活」であり、大事な「自己表現」「自己実現」である。「我がまま」の字のごとく、〈我のあるがまま〉ともいえる。

 以上のような考えに立って、本書ではさまざまな「在宅ケア」や「介護」の問題を「わがまま」というキーワードで見つめ直している。

▽こんな私はわがままですか

 本書から「小さなわがまま」の具体例をいくつか挙げてみる。
*わが家のおふろにタプンとつかりたい
*おむつに排尿するのはイヤ
*トイレでうんこしたい
*3度おいしい食事がしたい
*花屋への散歩なら行ってもいい
*酒のない人生なんてつまらない
*キスさせて、看護婦さん
*愛人宅で最期を迎えたい
*バラの香りに包まれて天国へ旅立つ
*家庭での介護者も週休2日制にして

 以上の見出しから、介護を受ける人の希望や心情がそれなりに想像できるだろう。なかには笑いを誘わずにはおかないような欲求もあるが、多くは「病気以前の普通の生活」であり、「当たり前の要求」にすぎない。決して「わがまま」とはいえない。

 「わが家のおふろにタプンとつかりたい」について宮崎さんは次のように書いている。
「看護や介護では、とかく体を清潔にすることだけを考えがちである。それだけでは十分ではない。ゆっくりおふろに入って、生き返るようだと感じたことはだれにもある。それがどんなに大きな喜びか教えられたような気がする。私たちが心しなければならないことだ。お湯につかってうれしそうにしていた顔が今も忘れられない」と。

「家庭での介護者も週休二日制にして」は32歳の女性の要求である。「母の介護は私がするけど、週末は自分の家族と一緒にのんびり過ごしたいので、介護は週休2日制にしたい。土、日の早朝からケアをお願いしたい」と。
 宮崎さんはこう答えている。「介護する人にも自分の人生があるのだ。わがままだといって無理をしていたら、介護も長続きしない。介護者の人生もわがままも大事にしなければならない。悪びれることなく、堂々と週休2日制を口にする若い世代に拍手を送りたい」と。

▽「わがまま」を「わがままでなくする」ために

 さて「それはわがままだ」という介護する側の勝手な思い込みをなくして、「わがまま」を「当たり前の生活の要求」にするためには何が必要だろうか。
 宮崎さんは次の4つの課題を挙げている。それぞれが当然の提案であり、特に4番目の「自己決定権の尊重」は、今後日本社会でのキーワードになるだろう。そして「わがままでいいじゃないか」と思ったときから、何かが始まるのではないか、と結んでいる。

1 行政サービスの充実
 まず行政の制度を見直してサービスの充実をはかること。
 お金のある人しか望むことができないとか、よく世話をする家族がいる人しか幸せになれないというのではなく、どういう条件の人でも、経済的に無理のない負担で望む暮らしができるようにするためには、行政の果たす役割は大きい。

2 市民の意識改革
 市民の側も「常識」を考え直し、意識改革をすること。
 現実はどんどん変化している。価値観も変化している。今まではそうだったかもしれないが、本当にそれでいいのだろうか、と問い直すことが必要ではないだろうか。

3 利用者のためのサービス
 サービス提供者は利用者の側に立って取り組むこと。
 「現在の状態を保持する」介護だけではなく、「改善」し、「望みをかなえる」ための技術の向上と熱意をつねに怠らないことが求められている。「利用者のために満足のいくケアをしたい」という、その初心につねに立ち返って、自らを見つめ直しながらケアしたいものである。

4 自己決定権の尊重
 何よりも重要なことは、ケアを受ける人が自己決定すること。
 自分で望むことは遠慮なく選択し、それをきちんと表現してもらいたい。言ってもらえれば、目標ができるし、それをかなえることもできる。自己決定権の尊重が非常に大事である。
 西洋の先人の言葉に「歴史の進歩とは、ただ一人の自由が全人類の自由に拡大されることである」がある。お金や権力を持っている人が「わがまま」を独占するのではなく、弱い立場の一人ひとりの市民が自由を獲得すべきだということだろう。

▽改革者・ナースが担う「足立づくり」

 大熊由紀子さん(元朝日新聞論説委員)は本書の解説で私の「理想のナース」として次の5つの条件を挙げている。
1 教科書から学ぶだけでなく、現場から、患者さんから学ぼうとするナース
2 常識をひっくり返す新鮮な発想をもったナース
3 「前例は破るためにある」と考え、行動するナース
4 行動を成功させるための説得力と表現力をもっているナース
5 目立つことをおそれない、度胸があるナース

つづいて以下のように書いている。

 宮崎さんはこの5つの条件を備えた、日本には珍しいタイプのナースです。「医者の言うことを素直に聞く、従順な女性」ではないのです。でも「白衣が似合う、綺麗な優しい女性」です。
 (中略)封建制度の化石がヤマほど残っている医療の世界では、ナースがわかこさんのように目立つことは、実に危険です。だからみんな臆病になってしまいます。でもそのようなスターがいて、ナースの仕事への一般の人々の理解も深まり、医師万能の医療の世界の改革にもつながるのだと思います。

 大熊さんの指摘するとおりである。宮崎わかこさんはこころ優しい改革者として足立区政を担おうとしている。「足立だから住みたい」「足立だから行ってみたい」「足立だから学ぶことが沢山ある」―と東京中から、いや日本列島ひいては海外のあちこちで評判になる「足立づくり」が始まる時がやってくることを期待したい。


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コメント
この記事へのコメント
ナースから区長選へ!?

本もたくさん書いていらっしゃるようだし、いったいどんな方なんだろうと興味を引かれ、宮崎わかこさんのサイト、見てみました。以下はその感想です。
http://www.miyazaki-wakako.jp/nice.html

・あらゆる候補者が、自分の目指すことを彼女のように簡潔にわかりやすくコミュニケーションしてほしいな、と思いました。

・「なるべく足立区の中でモノとお金を循環させる」。
この地産地消の考え方に100%賛同します。このことは日本国を含めあらゆるレベルの自治体が追求すべきです。

・ブログが面白かったです。
看護の現場でもきっと、人にはまったく苦労を感じさせずに、いつも明るくまわりを元気になさっていたんだろうな~、と想像できました。

・対立候補の方のことは何も知りませんが、ぜひ宮崎さんのようなセンスの人にトップに立ってほしいです。
万一、当選できなかったら、私の地元の市長になってほしい!
2007/05/09(水) 20:40:50 | URL | panda #0fOuOcNk[ 編集]
ナースが区政に挑戦
panda さん、コメントに感謝します。
政治には素人のナースが「ナースの挑戦」として区政に新しい風を巻き起こそうというわけですから、ドラマとしてもなかなか興味深いものがありますね。

政策面でもセンスの良さがあちこちに見受けられます。
介護の専門家ですから、その分野は当然のこととして、そのほかではご指摘の「区内でモノとお金の循環をめざす」があります。

「スローフード」と地産地消、ムダな「箱もの」づくりを止めること、若者の区内での就労支援―などは全部お互いにつながり合っています。教育・医療・福祉を中心にお金を使えば、区内でモノとお金が循環してゆきます。

また次のような提案もしています。
●「子育てまっ最中のお母さん議会」や「子ども議会」を開催する。
●商店街の真ん中に『わいわい集う場』を作る。(トイレ・ベンチ付)
●荒川土手に桜並木を作る。
●古い町並みを残しながら、商店街の振興を含めて修復型の都市開発をめざす。

これらは住民一人ひとりの自己決定権に支えられた参加・参画が求められます。
こういう新しい発想が次々と実を結んでいけば、街に活気と潤いがひろがり、「足立だから住んでみたい」「足立だから行ってみたい」と評判にもなるでしょう。これは「質の良循環」とでもいったらいいでしょうか。楽しみです。
2007/05/10(木) 15:31:52 | URL | 安原和雄 #-[ 編集]
和加子さんは先輩です
はじめまして。
安原さんのブログ、時々のぞかせてもらっています。

宮崎和加子さんの情報ありがとうございます。
この女性は看護学校時代の先輩です。30年以上も前から私の母校(もう閉校になりました)は、訪問看護の教育に力を入れていました。彼女は日本で初めての訪問看護ステーションの所長をした人です。
在学中から主張と行動の一致した、リーダー的存在のたくましい人でした。
私は九州在住ですが、遠方から動向を注目しつつ、彼女の活躍を期待しているところです。
2007/05/10(木) 21:23:25 | URL | renanaya #7iSbDyII[ 編集]
わかこさん、足立区長選に出馬
renanayaさん、九州から遠路はるばる、といっても情報は一瞬の間に届きます。コメントありがとうございます。

宮崎わかこさんについて「在学中から主張と行動の一致した、リーダー的存在のたくましい人でした」という寸評に「なるほど、たしかに」と何度もうなずいています。
わかこさんの当選を祈って、心の応援を引きつづき頂戴できれば、有り難く思います。

このブログ「仏教経済塾」に、これまで同様のご関心を寄せて下さるようお願いします。ご自愛ください。
2007/05/11(金) 11:36:09 | URL | 安原和雄 #-[ 編集]
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足立区長選挙に、宮崎わか子さんが立候補を表明しました。ナースです。
2007/05/10(木) 22:24:16 | うさぎの小部屋
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