「もっともっと欲しい」の貪欲の経済から、「足るを知る」知足の経済へ。さらにいのちを尊重する「持続の経済」へ。日本は幸せをとりもどすことができるでしょうか、考え、提言し、みなさんと語り合いたいと思います。(京都・龍安寺の石庭)
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足利知足塾の近況報告(2)
 植物の命を守るしくみ

 安原和雄
 足利知足塾(塾長・柿澤さな江さん)が発足(2005年7月、栃木県足利市大岩町428の蕎麦(そば)屋さん「だいかいど大海戸」=店主・柿澤一雄さん=にて発足会を開催)してからちょうど1年経った。
 同塾会報「野の花通信」最新号(06年6月27日号)を手がかりに同塾(顧問・安原)の近況を報告したい。06年4月の第1回近況報告に次いで今回は2回目。(06年6月30日掲載)

▽ 植物のいのちを考える
 「野の花通信」最新号に「植物のいのちを考える」と題して、次のようなエッセイが載っている。以下に全文を転載する。

 今年の2月に母の形見の蝋梅と義父の形見の藤を移植しました。どちらも今まで住んでいた家の庭で10年以上生きてきた木なので、相当大きくなっていました。前の年に根を切って移植の準備をしておきました。果たして、新しい土地で再び命をつなぐことができるでしょうか?

 蝋梅は、おかげさまで春になると数枚の葉をつけ、花も数輪咲かせました。今は、葉数も増え、元気になってきました。来年はきっとすばらしい花をつけてくれることと思います。

 それに引きかえ、藤は5月になっても葉を1枚もつけませんでした。幹に傷をつけると緑色をしているので、まだ枯れていないことは確かです。いつ葉が出てくるのだろうと気になっていました。6月22日の朝、ふと藤の根元に目をやると紫色の花房がひとつありました。そして小さな葉が数枚。割り箸のような小さな枝についていたのでした。体全体にまで水分や栄養を送ることができず、今はここまでと1房の花をつけた藤の命に、植物の命を守るしくみを教えてもらったような気がしました。

▽ いのちの尊重と仏教経済学
 以上のエッセイのうち、特に締めくくりの「体全体にまで水分や栄養を送ることができず、今はここまでと1房の花をつけた藤の命に、植物の命を守るしくみを教えてもらったような気がしました」は「なるほど」と身体でうなずかされるような感慨を覚える。

 私(安原)がかねてから唱えてきた仏教経済学の核心となっているのが「いのちの尊重」で、このいのちは人間のいのちに限らない。動植物も含めて、この世の生きとし生けるものすべてのいのちを指している。
 それは「抽象的ないのち」でも、「知識としてのいのち」でもなく、日常の自然と暮らしの中に息づいていて、「語りかけてくるいのち」であることに、このエッセイを読んで気づかされる。
 そういういのちを実感できるのが本来の「日本人の情緒」ではないだろうか。21世紀の新しい経済学(思想)―仏教経済学が重視する「いのち」にひとつ厚味が加わったような気分になっている。

▽足るを知る生活の実践
 塾長の柿澤さんは日頃、「知足塾では勉強会も大事だが、それだけではなく、知足、すなわち足るを知る生活を実践してゆきたい。足るを知る生活とは、自然から与えられるもので十分、と受け止め、感謝することではないかと思う」と語っている。
 私流に翻訳すれば、「自然からの恵みは豊かであり、それ以上のものを貪欲に求めないこと―それが足るを知る生活の実践」と理解したい。

 柿澤さんは、そば屋と並んで、自宅周辺の自然を生かした農園・「柿の実農園」を経営しており、鶏などいのちを育てることに取り組んでいる。こうして農園が、知足を暮らしの中で実践し、生かす舞台にもなっている。

▽スローフードと蛍の鑑賞
 「野の花通信」最新号によると、知足塾の活動は野菜作りから自然の中でのスケッチ、さらにキャンドルナイトなどと多彩である。
 キャンドルナイトはキャンドル(ろうそく)の手作りから始まる。6月某日のこと、近隣の益子、佐野、太田、前橋などさまざまな地域からいろいろな人々が駆けつけた。広い自然の庭に散在している岩の上にろうそくを灯し、夕食は、粟とキビの入ったご飯でつくったおにぎりを味わった。歌の演奏もあり、加えて足利の夏の風物詩、飛び交う蛍の鑑賞となった。

 それに「中学1年生のユウヤ君が来年のイベントのあり方について提案してくれた」という若者からの頼もしいプレゼントまで付いた。私は残念ながら参加できなかったが、スローフードとともに知足を実践し、簡素の中に充実感を満喫するひとときではなかったかと想像をたくましくしている。
 「今年参加できなかった皆さん、来年はぜひお越し下さい」とは、塾長の呼びかけであり、期待でもある。

 今後、このような知足塾が全国のあちこちに誕生し、発展してゆくことを願っている。


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