「もっともっと欲しい」の貪欲の経済から、「足るを知る」知足の経済へ。さらにいのちを尊重する「持続の経済」へ。日本は幸せをとりもどすことができるでしょうか、考え、提言し、みなさんと語り合いたいと思います。(京都・龍安寺の石庭)
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風邪をひくのも悪くはない
〈折々のつぶやき〉48

安原和雄
 想うこと、感じたこと、ささやかに実践していること―などを気の向くままに〈折々のつぶやき〉として記していきます。今回の〈つぶやき〉は48回目。題して「風邪をひくのも悪くはない」です。(09年2月16日掲載、公共空間「ちきゅう座」に転載)

風邪がはやっている。通りにはマスク姿の人が目立つ。何年も風邪知らずできた私(安原)も風邪の爪にがっしり捕まれてしまった。熱は困るほどではないが、咳が止まらない。病院で薬を貰ったが、どうも効き目がない。だから人前に出にくい。遠慮している。

▽風邪のお陰で緊張感がなくなる

 さて弱ったなあ、と思っているとき、「風邪をひいても」というコラムを見つけた。風邪への心の対処法が紹介されているので、その大要を紹介する。(09年2月8日付毎日新聞「日曜くらぶ」掲載、心療内科医・海原純子さんのコラム「心のサプリ 一日一粒」から)

 Aさんは大事な試験の1週間前に風邪をひき、母親から「プレッシャーに弱いんだから」と言われ、自信をなくしてしまった。
 大事な仕事や試験やここぞと言うときに体調を崩すと、プレッシャーに弱いとか、緊張しすぎとか言われてしまう。だから体調の悪さに加え、「自分は精神的に弱い人間だ」と自信を失いやすい。

 体調万全で試験や試合に臨めるならそれが一番だが、風邪をひくのはそんなに悪いことだろうか。実は、私もついさきごろ風邪をひき、鼻水とのどの痛みがひどい時に大学研究班のミーティングで報告をしなければならなくなった。本来なら報告内容を一生懸命吟味するところなのだが、鼻水がひどく、話の間にくしゃみが出ないようにとかで、頭がいっぱい。お陰で緊張するひまもなかった。
 そう。風邪をひくといいこともある。力が抜けるのだ。余計な緊張がどこにもなくなる。緊張して力が入りすぎても実力は出せない。
 試験や大事な仕事の前に風邪をひいたら、自分は弱い、と落ち込まないでほしい。力が抜けていいんだ、ととらえてはいかがか。

▽「諸行無常」感にみるプラスとマイナスの変化

 風邪のひき方もいろいろだろうが、上のコラムを読むと、風邪との向き合い方もいろいろあることを感じる。人は負け惜しみというかも知れないが、以下のような受け止め方も確かにある。

〈その1〉:「禍を転じて福となす」
 故事に「禍を転じて福となす」(わざわいに襲われても、それを逆用して幸せになるように取り計らうこと)というが、この精神を生かせば「風邪をひいて残念、しまった」と悔やむ必要はさらさらない。むしろ「風邪と共に」と受け止めよう―という心の配り方にもなる。
 昨今の現実社会には風邪にも勝る悪病がはびこっている。これに正面から向き合うにはまさに「禍を転じて福となす」というそれなりの変革への心情が欠かせないだろう。風邪も同じといえるかもしれない。

〈その2〉:「諸行無常の響あり」
この「諸行無常(しょぎょうむじょう)の響(ひびき)あり」は、あの『平家物語』の冒頭の有名な書き出しの一句である。つぎのようにつづいている。
 盛者必衰(じょうしゃひっすい)の理(ことわり)をあらはす
 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ、偏(ひとへ)に風の前の塵(ちり)に同じ

 ただこの一節には仏教で言うところの「諸行無常」感のマイナス面が強く出過ぎているという批評がある。「諸行無常」は「あらゆる存在、事物は変化していく」という意であり、変化にはくだいていえば、マイナスの変化とプラスの変化とがある。
 前者の変化は例えば健康な人が病気になることであり、後者は病人が健康に快復することである。風邪をひくことだけが諸行無常なのではない。風邪から快復するのも「諸行無常」という仏教的法則のお陰である。「諸行無常」感は常にこの両面をみる必要がある。つまり健康だからといって慢心しているわけにもいかないし、逆に病気になったからといって悲観する必要もない ― ということだろうか。


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コメント
この記事へのコメント
個人的には、風邪の頭だと、あれこれ考えていたことが馬鹿らしくなり、結局、シンプルな答えを出すことが多くなります。これも余計な力が抜けるからでしょうか。迷いがなくなるのが、不思議です。普段、どれだけ煩悩ばかりの生活をしているのか、と実感します。

2009/02/17(火) 17:04:33 | URL | 赤坂亭風月 #-[ 編集]
風邪と共に行く
赤坂亭風月さん、早速コメントをいただきました。
ご指摘の本意は「風邪と共に煩悩が少なくなる」ということでしょうか。「なるほどなあー」と受け止めました。
「風邪をひいて弱った」というのが普通ですが、そういうマイナス思考になる必要はないということですか。

このコメントも実は咳を繰り返しながら書いています。なかなか咳が止まりません。熱がないので助かりますが、「風邪と共存」とまで大らかな心境にはなりきれないとしても、「風邪と共に行く」くらいの度胸が必要かも知れません。
やがて風邪の虫の方が「いじめ甲斐がない」と諦めて退散してくれるでしょう。それを待ちましょう。
2009/02/17(火) 18:36:03 | URL | 安原和雄 #-[ 編集]
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