「もっともっと欲しい」の貪欲の経済から、「足るを知る」知足の経済へ。さらにいのちを尊重する「持続の経済」へ。日本は幸せをとりもどすことができるでしょうか、考え、提言し、みなさんと語り合いたいと思います。(京都・龍安寺の石庭)
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大恐慌とハイヒールの行方?
〈折々のつぶやき〉41

安原和雄
 想うこと、感じたこと、ささやかに実践していること―などを気の向くままに〈折々のつぶやき〉として記していきます。今回の〈つぶやき〉は41回目。題して「大恐慌とハイヒールの行方?」です。(08年10月24日掲載、公共空間「ちきゅう座」に転載)

▽大恐慌だって?! ―102歳長老の発言、「今は恵まれすぎ」

 毎日新聞のコラム「発信箱」にはおもしろい記事が少なくないが、その中から一つを紹介したい。女性経済記者・福本容子さんの記事で、題して「大恐慌だって?!」(08年10月24日付)。要旨はつぎの通り。

79年前のきょう(10月24日)、ニューヨークの株価が、取引開始直後に暴落した。世界大恐慌の始まりともいわれる「暗黒の木曜日」だ。
 東京日日新聞(現毎日新聞)の1面記事によると、あまりに激しい下げ方だったので、証券取引所の仲買人12、13人が気絶し病院に運ばれた。
 アービング・カーンさんは株のトレーダーとして働き始めたばかりだった。102歳の今も株関係の仕事をしている大恐慌の生き証人だ。そのカーンさんがインタビューで「あのころに比べ、今はマシもいいところだ」と断言していた。
「でも、みんな不安がっていませんか」と聞かれて、「違う。派手な見出しで悪い悪いと記事を書いて目立ちたい記者がおるだけだ」、「今は恵まれすぎ。全く甘えきってしまったもんだ」と。

 「1929年以来の大恐慌」といった記事や論評が目立ってきたきたけれど、大恐慌を経験した記者も評論家も多分いない。「世紀に1度の危機」と宣言した米連邦準備制度理事会前理事長のグリーンスパンさんだって、79年前は3歳の坊やだ。
 米経済紙ウオールストリート・ジャーナルの電子版を眺めていたら、ほっとする発見をした。株式市場大荒れの中、読まれていた記事のランキング1位が金融危機でも米大統領選でもなく、かかと15センチ超のハイヒールが人気、という話しだったのだ。長老カーンの言う通りだ。
 軽々しく「大恐慌」などと言うなかれ。株がもっと下がるし、ハイヒールまで売れなくなるじゃない。

▽(安原の感想)― ハイヒールを絡ませたところがおもしろい

 大恐慌体験者のカーンさん(102歳)の発言「今は恵まれすぎ」はその通りであろう。大恐慌当時の米国の最悪時の経済指標をみると、ピーク時に比べて、ニューヨーク株式は7分の1にまで暴落し、GNP(国民総生産)、工業生産額はともに半減し、輸出入額は3分の1の水準にまで激減した。失業率は約25%、つまり労働者の4人に1人が首切りとなり、失業者が街にあふれた。「今はマシもいいところだ」というのは決して事実誤認とはいえない。お年にしては 記憶力は確かであり、敬意を表したい。

 だからといって今回の米国発金融危機が楽観できるわけではない。日本も含めて実体経済への悪影響が広がり始めている。もちろん消費への マイナス作用も目立ってくるだろう。そういう流れの中で米国では「かかと15センチ超のハイヒールが人気」というところがご愛敬といえる。
 こういう記事は男性記者にはなかなか書けそうにはない。女性記者ならではの感性なのか。それにしてもなぜ今「ハイヒールが人気1位」なのか。金融危機だからといって落ち込んでいるときではないから、背丈を伸ばしたいという願望の表れなのか。それとも?

 ハイヒールについてつぎのような一問一答を読んだことがある。これは右脳型人間度、つまり遊び心が豊かであるどうかを試す問題である。
 問い:女性のハイヒールを考え出した人は何を不満に思ったためだろうか?
〈ヒント〉この話をアメリカ人の女性にしたら、おもしろいと言ってくれた。
 答え:何かを考え出す一つの動機は不満である。ハイヒールの場合、「額(ひたい)に口づけされ、それを不満に感じた女性」が答えである。額よりもう少し下に口づけしてもらうにはどうすればよいかを考えた末、ハイヒールを思いついたというわけである。

 さてもう一度問いたい。金融危機とハイヒールとがどうつながっているのか。上記の一問一答から察するに、ハイヒールの誕生は女性側の愛への渇望にあるようだから、金融危機の最中で男性諸君が右往左往するあまり、男性からの愛の発信が不足状態に陥っているためなのか。想像力豊かな読者にゆだねるほかなさそうである。あるいは「無関係だよ」が正解かも知れない。


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コメント
この記事へのコメント
102歳長老の話
しばらくぶりに覗いてみました。ハイヒールのお話しもたしかにおもしろいですが、もっと興味深いのは102歳の長老の発言です。
102歳の今も株関係の仕事をしている大恐慌の生き証人、とか。100歳を超える超高齢でありながら、いまなお仕事を持っているところが驚きです。
インタビューで「みんな不安がっていませんか」と聞かれて、「違う。派手な見出しで悪い悪いと記事を書いて目立ちたい記者がおるだけだ」と新聞記事批判をズバリと言ってのけるあたりは、頭が下がります。「目立ちたい記者」という指摘は日本でも当てはまるでしょう。
2008/10/27(月) 17:27:04 | URL | ANN. #-[ 編集]
新自由主義に代わる路線を
ANN.さん、コメントに感謝します。
1929年大恐慌と今回の世界金融危機とどちらが深刻かというテーマはなかなかの難問です。29年大恐慌は生産過剰による恐慌でしたから、消費、投資を増やす有効需要政策が求められました。米国のニューディール政策や第二次大戦後のケインズ政策が有効でした。

しかし今回は異常な信用膨張が背景にあり、消費や投資を増やすケインズ政策の復活がどこまで効果を持つかという問題があります。
おまけに地球環境保全、資源・エネルギーの制約という29年恐慌時にはなかった新しい問題もあります。
いいかえれば経済成長政策は有効ではないということです。経済の量的拡大ではなく、質的充実が求められているわけで、従来型の政策では出口が容易には見つからないという状況です。だから小手先の景気対策は有効打にはならないでしょう。

禍を転じて福となす、には今回の金融危機の背景にある新自由主義路線に根本から代わる新しい路線設定が不可欠です。それをめぐる議論を始めるときではないか、と思います。
2008/10/30(木) 07:19:16 | URL | 安原和雄 #-[ 編集]
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